"Gibraltar" オーストラリアの360万坪の牧場から

オーストラリアの田舎にて牛を育てる日本人のブログ。日本では有り得ない日常や日々の生活、360万坪の牧場での出来事を記事にしています。 過去の記事は旧ブログでご確認下さい。 旧ブログアドレスhttp://s.ameblo.jp/gibraltarmasashi/ 

人手

こんにちは。

 

こちらの学校はあと1週間で夏休みとなります。

夏休みは約1か月半あり、来週から1月末までのお休みとなります。と言う事は、3人の息子が常に家に居るという事ですので、騒々しい1か月半が始まります。

朝から兄弟げんかして、昼もして、夜寝る直前までケンカしています(笑)。

もちろん度が過ぎると、僕の出番になるわけで、夏休み中は何度も落雷が予想されます。

そんな夏休みですが、親にとってプラスになる事も実は大いにあるのです。

こちらの牧場では、牧場内の仕事を手伝ってくれる労働者を「farm hand」と呼びます。その名の通り「牧場の手」牧場を手伝ってくれる方々を指します。

現在、ここGibraltar牧場にはFarm handは居ません。

オーストラリアの人件費は非常に高額なので、出来るだけ自分で仕事を行うようにし、足りない部分は家族に手伝ってもらうようにしています。

牧場には1人では出来ない仕事がいくつかあります。

子供の夏休みは、その1人で出来ない仕事を行う絶好のチャンスなのです。

夏休みにしっかり手伝ってもらえるように、普段の土曜日や日曜日に少しずつ仕事を教え、ちゃんとしたアシスタントになってもらえるように日頃から「訓練」しています(笑)。

この方法は、この辺の牧場では当たり前の事で、中学生になれば誰でもマニュアルの車やバイクは普通に運転できるようになります。

ウチの息子も同様に車も運転できますが、それは息子が乗りたくて始めたわけでは無く、仕事に必要なので、息子が小学校6年生の時に僕が教え始めたのが始まりでした。

 

本日は夏休み1週間前の土曜日。

今日は朝から息子と一緒に子牛の去勢やイヤータグを付ける仕事を行い、お昼ご飯を食べてからフェンスの修理に向かいました。

写真の様に、古くなったフェンスポストが倒れてしまい、フェンスも一緒に地面に倒れています。これでは牛が敷地の外に出て行ってしまいますので修理する事にしました。

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まずは、この倒れたポストを取り替えなければいけませんので、それを調達します。調達と言っても町まで買いに行くわけではありません。

牧場内に生えています。だからそれを切って皮を剥いで使用します。

そのポストに最適なのが、薪でもお馴染みのアイアンバークの木。

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出来るだけ真っ直ぐで形の良い物を選び、チェーンソーでカットして、ハンマーで皮を叩いていくと・・・。

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こんなにキレイなポストに大変身です!!凄いでしょ??初めてこれを地元の人に見せてもらった時は非常に感動しました。

僕がチェーンソーで倒した木の皮を剥ぐのは長男の仕事。

皮を剥いだら次男と長男でトラックに運びます。まぁ、その時もケンカですよね。子供の二人にはまだまだ重たい木を、足の悪い地面を歩いて運ぶので、お互いイライライライラ。「早く歩けよ」「ちょっと待てよ」とケンカが始まります。

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ケンカしながら先ほどの倒れたフェンスに向かい、穴を掘り直してポストを立てます。

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切れたワイヤーを特殊な道具で引っ張って、倒れる前の姿に戻したら仕事は終わりです。

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こうやって子供達は仕事を覚えて、知らないうちに一人で出来るようになるんです。

一生懸命頑張ってくれたので、クリスマス休暇にはブリスベンの町でも連れて行って、美味しい物でも御馳走しましょうかね。