"Gibraltar" オーストラリアの360万坪の牧場から

オーストラリアの田舎にて牛を育てる日本人のブログ。日本では有り得ない日常や日々の生活、360万坪の牧場での出来事を記事にしています。 過去の記事は旧ブログでご確認下さい。 旧ブログアドレスhttp://s.ameblo.jp/gibraltarmasashi/ 

我が家のメンバー

だんだんと夏が近付き、仕事も忙しさを増し始めています。
今年は春先に雨がたくさん降ったおかげで、牧場はグリーンで牛の状態も非常に良いです。

さて、今日は我が家のメンバーのお話し。

我が家には4頭の犬がいます。
2頭の仕事犬と2頭のペットがいます。

「仕事犬」と言ってますが、それは「当初の予定」でして、「牧羊犬」や「キャトルドッグ」と言われるようなカッコイイものじゃ今はありません。

オーストラリアもアメリカも、牛や羊を育てる牧場では犬は必要不可欠です。
家畜を追いかけ、まとめて、牧場主の命令を聞き牧場主と一緒に仕事をする。これがキャトルドッグであり、牧羊犬です。
訓練された犬は非常に利口で、飼い主の口笛の音や音の質を聞き分け様々な動きをします。

ここは牛の牧場なので、当然僕も犬を飼い始めました。
自分なりに訓練をしたので、ある程度の命令は聞きます。
しかし、犬を使い牛を追い掛ける度に、牛が驚き逃げ惑う光景に疑問を抱き犬を使うのをやめました。
特に子牛や、それを守ろうとする母牛はパニックに陥ってしまう事が多く、犬を使う事が人間と牛の双方にストレスを与えてしまうと自分なりに考えた結果、方向を変える事にしました。
犬を使っていた時は、僕や家族が車やバイクで牛に近付こうとしただけで牛は逃げ惑っていました。しかし、犬を使う事をやめて、ゆっくりと牛に合わせて牛を動かす事を始めてからというもの、我が家の牛は近隣でも一番の大人しい牛に今はなりました。
広い土地に放牧しているにも関わらず、牛達は僕の顔を覚えてます。僕も200頭の母牛のほぼ全ての性格や行動を覚えています。

何か犬の批判のようになってしまいましたが、4頭の犬は広い土地で楽しんで生活しています。
こんなに広い土地ですが、犬はいつでも自由に放し飼いされてる訳ではありません。
基本は小屋に入っていて、遊ぶ時は外に出る。これをしないで、いくら広いからと言って放し飼いにするとそのうち飼い主言う事を聞かなくなります。

我が家の犬達を紹介すると、
まず最年長のボーダーコリーの「ホース」。
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犬なのに「ホース」という名前。
買った時からこの名前が付いているのでそのままにしました。


次に牧羊犬で優秀な犬種の「ケルピー」だと言われて買ったけど、成長するにつれてどう見てもオーストラリアの野犬「ディンゴ」に成長した「バディー」。
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唯一の女の子で200km離れた街から来た「スタッフィー」のおデブちゃん「デイジー」。沼と水溜りが大好き。夏の暑い日は水風呂にいつも入っています笑。
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デイジーとホースの子供の「青ちゃん」黒なのに産まれた時にしてた首輪が青かったから青ちゃん。
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この青ちゃん。
牧場内を車で移動してる際に、牛に攻撃されました。その瞬間に車の下に逃げ込み、自分の運転する車に轢かれてしまい、複雑骨折により三本足になったのが一週間前。
傷口をいじらないように大きな物を首につけています。
わずか一歳での試練。大事にケアして行きたいと思います。
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動物と共存すると色々な事を覚えますし経験します。
来たばかりの何も知らない時は経験も無く無知なので、動物に可哀想な事もたくさんさせてしまいました。

牛が餓死寸前な状況なのに気が付かず動物保護局に通報されてしまったり、犬を毒で死なせてしまった事もありました。
牛の死骸を山ほど見ましたし自分で処理もしました。
そうした悲惨な経験を無駄にしないように、最後には食肉になる運命の牛が少しでも自分に飼われ、この牧場にいた時間を幸せだったと思えるように世話をする事が僕の役目だと思います。