ヘイ作り②
いや~疲れちゃってます・・・・。
まず気温が酷い。ヘイ作りを始めてから気温が毎日40度をこえてまして、エアコン完備のトラクターの中に居てもトラクターはほぼ全面ガラス張りですから暑くて仕方がない。仕事が終わって家に帰るとビールの小瓶を一本飲んで、冗談抜きで水を3リットルは飲みます。シャツは頭から水を被ったようにビショビショで、その水分に泥やオイルが付くから仕事終わりは本当に真っ黒です。
さて前回の記事の続きです。前回お話ししたように、ミレットという牧草のヘイを作っています。
カットした草は十分に乾きましたので、いよいよ機械を作ってブロックにしていきます。
この1990年製の機械(baler ベーラー)を使い乾燥した牧草の拾っていきます。
前から草をある程度拾うと後ろからまるで〇〇〇のようにヘイを出していきます。ヘイは紐できつく縛られています。
なぜベーラーと言うのかと申しますと、こうやって牧草をヘイにする作業を「Bale」ベールすると言います。他にも、梱包したりする意味もあります。なので、それをやってくれる機械はベーラーと呼ばれるわけです。
トラクターはもちろんの事、こういった牧場で使う機械類は非常に高額です。新品ですと高級車一台分の値段が当たり前です。なので、このように1990年製の機械を中古で安く買い、メカニックを呼んだりしながら大事に使っています。
機械から出されたヘイは写真の様にシングルベッドほどの大きさがあり、重さは一個250kg~300kgほどあります。僕の身長が180cmなので、大きさがわかると思います。
この3万坪の畑をベーラーでグルグル周り、乾燥した草を拾っていくと、終わった頃には畑のそこらじゅうにヘイが落ちています。
今回は256個のヘイが出来ましたので、3万坪に256個のシングルベッドが落ちていると想像して頂けるとわかり易いと思います。
今度はそれを大きいトレーラーをトラクターで引っ張ってトラクターの前に付いたフォークで刺して持ち上げてトレーラーに載せていきます。
このトレーラーには約20個のヘイが一度に載せられますので、父が小さなトラクターで畑に散らばったヘイを20個ひとかたまりに集めていきます。
ちなみに、集めるだけで2日かかってしまいますので、2日目の前半は妻もトラクターを運転しヘイを集めました。
20個ひとかたまりのヘイをトレーラーに積んだら、今度はそれを「hay shed ヘイシェッド」に運び、降ろします。ヘイシェッドとはヘイが雨にさらされない為のの倉庫の事を言い、この牧場には大中小と3つあります。今回は小と、中のヘイシェッドに移動します。半分は機械と小さいヘイで埋まっていますが、半分は空っぽですので、ここに今回作ったヘイを積んでいきます。
20個ひとかたまりを一個ずつトレーラーに積み、トレーラーをトラクターで引っ張り、道路を走り、そのヘイをシェッドに収納する。この作業1回で平均50分かかりますので、256個を全て移動させるには、休憩なしでも約13時間かかります・・・。
半分空っぽだった小さいヘイシェッドは天井近くまで埋まり、140個を収納しました。
残りは川の反対側に運びます。
こうやって256個は無事に収納され、冬に牛に与える分は確保できました。冬の厳しさによりますが、平均すると冬2回でこのヘイは全て牛の胃袋に消えていきます。
ちなみに、全て売却する事も出来ます。今回のヘイはミレットの他に雑草も多少混ざっています。しかし1個50ドルほどで売れるはずです。
こうして炎天下の中家族そろって仕事をして冬の準備を始めています。ここに来たばかりの時はヘイも僕の知識も無く、冬に大量の牛が飢えて死にました。二度と悲劇を起こさないためにも、常に2年以上分のエサは蓄えておきたいと思っています。
さあ!もう雨降っていいぞー!