水事情(家畜編)
さてさて、前回はここに住む我々人間の水事情を説明しました。
結構原始的なので驚かれた方も多いと思います。
今回は牧場で飼っている牛がどの様に水を飲んでいるかを説明します。
牧場内は頭数管理やパドックコントロールと呼ばれる草の管理、また妊娠時期の管理をする為にフェンスである程度の広さに野原や山を囲っています。
この囲われた牧草地をパドックと呼びます。
こんな感じで区切られてます。
牧場内には川が流れていますが、この川が全てのパドックに面しているわけでは無いので、川の水を直接飲める牛は川のパドックに面したパドックにいる牛だけということになります。
それでは、山などにいる牛はどうやって水を飲むかと言いますと、まずは雨の後は...
こんな水たまりで飲む場合もあります。
でも、気温の高い夏は一頭で80リットルも水を飲んでしまうので、こんな水たまりででは足りません。
なので人工の池をパドックに掘ります。
現在牧場にはこのような池が24ありますが、数年前の干ばつでは2個を残して全て水が無くなりました。
他にも、丘の上に置いたタンクに川からポンプで水を送り、丘の傾斜を利用して丘の下のパドックに設置した牛用の水飲み桶に送ったりもします。
もちろん雨が降らなければ川も池も枯れてしまいます。雨が降らなければ草も生えません。
だから僕はいつも本気で空に祈るんですよ。
日本では嫌いだった雨の日。ここでは最高の日です。