"Gibraltar" オーストラリアの360万坪の牧場から

オーストラリアの田舎にて牛を育てる日本人のブログ。日本では有り得ない日常や日々の生活、360万坪の牧場での出来事を記事にしています。 過去の記事は旧ブログでご確認下さい。 旧ブログアドレスhttp://s.ameblo.jp/gibraltarmasashi/ 

肉旅行記 ウロウロ編

今僕は家から車で4時間のブリスベン国際空港にいます。

その理由はと言いますと...
f:id:gibraltarmasashi:20160824225651j:plain

ロサンゼルスに向かっています。

牛を育てる人間が何故ロサンゼルスに行くかと申しますと、実は僕は日本の外食産業に係わる仕事もしています。
どんな外食産業の内容かと言うと、牛肉がメインのレストラン。。
牛を育てるオーストラリアの我が牧場にも当然ながら関係しております。以前にもアメリカに行っていますが、今回はとにかく肉を食べよう。勉強しよう。雰囲気を含めたアメリカの様々な食事の風景を改めて見てみようというのが今回の旅のテーマです。モチロン取引先との仕事もあります。

今回は日本の同僚二人を含めた三人での旅。
後で説明しますが、超忙しい日程をオッサン三人で乗り切れるかどうかがポイントとなります笑。

ロサンゼルスに向かってると書いてますが、実際の目的地はシアトルとテキサス。
今回利用するオーストラリアのカンタス航空にはシアトルまでの直行便が無いのでロサンゼルス経由という事となりました。

常に世界で一番安全な航空会社と評価の高いカンタスのこの飛行機で向かいます。
f:id:gibraltarmasashi:20160824231549j:plain

ブリスベンからロサンゼルスまでは12時間と少しのフライトで、その後ロサンゼルスの空港で国内線に乗り継いで2時間50分のフライトとなります。
トータルするとシアトルまでは、家からの車や、空港での待ち時間を含めて移動時間は24時間という事になります。

機内では良く寝れたので、スッキリした状態でシアトルに到着。
f:id:gibraltarmasashi:20160824232159j:plain

日本から合流する二人ももうすぐ到着ですので空港のフライトインフォメーションで到着ゲートなどを確認すると...

日本の台風の影響で4時間遅れとの事...

早速のトラブルだけど、昼寝には好都合だとホテルに早めのチェックインを願うも却下されてしまったのがランチ前。荷物は預けられたので、チェックインまでの三時間をウロウロしようと決めるもシアトルのダウンタウンまで行くほどの時間も無いので空港付近の道を歩いてみた。

日本でもお馴染みのデニーズやセブンイレブン、昔アメリカ旅行で初めて見たタコベルなんかを眺めているうちに腹が減ったので、近くのレストランに行く事にした。
f:id:gibraltarmasashi:20160825012934j:plain
f:id:gibraltarmasashi:20160825013000j:plain

通りに面したレストランの入り口に「骨から落ちるラムシャンク」と書いてある。
f:id:gibraltarmasashi:20160825014244j:plain
これは肉をテーマにした今回の旅にドンピシャな内容じゃないか!!と意気込んでドアを開けると早速目の前にファンキーなガラスケースに入って保温されてる肉の塊がぶら下がっている。
f:id:gibraltarmasashi:20160825014256j:plain

テーブルに案内されてコーラを頼み、先ほど入り口で見た肉の料理を持ってきてくれと注文すると、その肉の入ったサンドイッチを勧められた。

しかしこの店はランチタイムなのに客が全然いない。
f:id:gibraltarmasashi:20160825014607j:plain
少しの不安を抱き、サンドイッチを待っていると
運ばれて来たのはチップスが出しゃばるサンドイッチ。
f:id:gibraltarmasashi:20160825014658j:plain
f:id:gibraltarmasashi:20160825014729j:plain

確かに肉は柔らかいが、特に工夫もないただのサンドイッチ...そのクセめちゃ高い。
これが客ゼロの理由だったのか。

アメリカ一発目の食事をスカされてちょっと落胆していると間もなく日本から飛行機が到着。
気を取り直してここからが肉旅行のスタートです。

英語のハナシ

オーストラリア人は皆さん知っての通り英語を話します。
他の英語圏の人に言わせると、オーストラリア人の英語はナマリが酷いらしいですね!
オーストラリア人はナマリも凄いけど、英語の辞書には載ってない「オージー英語」を良く使います。
日本の方もG'day mate(グダイ マイト)なんて聞いた事あるのではないでしょうか?

日本の友人、知人に「オーストラリアに住んでます」って言うと、高確率で聞かれる質問があります。

「英語ペラペラなんですか?」これ、聞かれます。

答えから先に言いますと、もちろん英語は喋れます。ただ、ペラペラかどうかで言うとペラペラでは無いです。
もちろん、日常の生活や慣れた環境のビジネス通訳
ぐらいは可能です。

ですので、日常で生活していて言葉で困る事は90%ありません。いや、100%ありません。

「いや、それペラペラでしょ?」

って言われるかもしれませんが、ペラペラではありません。
ペラペラというのは我々が日本語を流行り言葉やジョーク、喜怒哀楽を表現しながら喋る事をペラペラと言うと思ってます。もちろん発音も完璧に。
このぐらい英語を喋れるのならペラペラですよね。

僕の場合は、全てが50%の集まりの英語です。
もし単語や会話内容がわからなくても、その単語や会話を別の単語を使って説明したり、聞き直す事が出来るので50%の力でも100%理解する事が出来ます。

僕は約20年前にカナダに留学をしました。その時の僕の英語レベルは中学生以下。というより文法も単語も全然知らないし、モチロン会話なんて怖くて出来ないので、カナダに着いた際は典型的な振る舞いで、ニコニコしながら何を聞かれてもYesを連発してました。

飛行機の中で喉が渇いても、CAの方は外人ばかりだから自分から頼めずひたすら我慢。
CAさんから運良く聞かれたら「コーク」の一点張り。腹が張ってようが、お腹いっぱいだろうがひたすら「コーク」を飲み続ける。なぜならコークしか言えない。「スプライト」や「ウォーター」なんて死んでも言えない。だって発音の難しいRやWが入ってるんですから...

カナダに着いてダウンタウンを歩き、お腹が空いた時、日本でも馴染みのあるマクドナルドに入るのだけど、注文方法はただひとつ、メニューを指差して「this」というだけ。しかし、必ず「ドリンクは何にしますか?」と聞かれる。しかし何を質問されてるか意味不明。だからそこは「Yes」と言う。
するとどうでしょう?呆れた顔した店員さんがぶっきらぼうに「コーク?」と聞いてきますので、すかさず「oh yes」と言ってみる。

僕の持論ですが、これが英語を上達させるコツだと思うし、喋る様になる最短距離だと思ってます。
まずは英語がわからなくてもマクドナルドやレストランに入る事。これが重要。スーパーやコンビニでカゴに入れて食事をしたり、英語の喋れる人に頼っては一言も喋らずに終わります。

次に、必ず翌日もしくは近いうちに同じチャレンジをします。そのかわり、新しい武器を持ってチャレンジに行きます。武器と言うのは、単語や文法。

僕は毎日のようにこれを繰り返しました。マクドナルドでメニューを指差して「this」としか言えなかったら、家に帰って英語での注文方法を勉強します。すると教科書に「Can I have 〜 please ※〜を下さい」というのがあったとします。これが武器です。この武器を持って必ずもう一度マクドナルドに行き、試すのです「Can I have this please」this と言いながらメニューを指差すのは同じですが、前回と違うのはCan I have 〜pleaseという武器を使った事が大きいのです。

結局その後は「コーク」って言うんですけどね笑。

日本の人は頭の中に完璧な文法を作る事に必死になりすぎて、喋る時もその完璧を口から出そうとします。その結果、うまく喋れなかったり、恥ずかしくなったりします。
それより中学、高校で学んだ単語を過去形も未来形も気にせずに、いま自分が伝えたい事をどんどん口に出した方が良いと思います。

「私は銀行が何処にあるか知りたいです」
「銀行どこ?」

「銀行どこ?」
これで良いんです。大正解です。最後にThank youって付ければ良いんです!!

どんどん喋りましょう。恥ずかしくないです。完璧なんか僕達みたいな凡人には無理です笑。

楽しんでチャレンジすれば海外旅行ももっと楽しくなりますよ。

では。

この木なんの木

この〜木なんの木 気になる木〜 ってテレビのコマーシャルはもう終わってしまいましたか?
調べてみたら、どうやらこの気になる木はハワイに有り、モンキーポッドという木のようです。

この牧場にも色々な木があります。

日本人が知っているオーストラリアの木だとユーカリの木が有名ですよね。オーストラリアではユーカリの木はガムツリーと呼ばれます。

コアラが好きなこのガムツリー。この牧場にもたくさん生えています。
ただし、コアラはこの牧場周辺ではまず見られないそうで、長い歴史のある隣の牧場主も見た事がないそうです。

ガムツリーと言えば.....
牧場内に一本僕の好きなガムツリーがあります。f:id:gibraltarmasashi:20160816205557j:plain

大きいですねぇ。何メートルあるのでしょうか?
近付いてみると、まるで二本足で踏ん張ってる様にも見えます。
f:id:gibraltarmasashi:20160816210630j:plain

この二本足で踏ん張ってる様も好きなのですが、この木...
実は中身が無いんです。
f:id:gibraltarmasashi:20160816210818j:plain

黒く焦げているので恐らく落雷でしょう。

f:id:gibraltarmasashi:20160816210914j:plain

こんなに大きい体を二本足で支え、中身が無い。
何故かこの木の側を通る度に自分を見てるような気になるんです。
また、中身のある人になりなさいと怒られてる気にもなるんです。

あまり良い内容では無いのですが、何故か惹かれるんですよね。

きっと似た者同士なんでしょうね笑。

セールヤード(牛のセリ)

昨日の夕方トラック載せて本日のセリに向かった僕の33頭の牛は無事にセリの会場(Sale Yard = セールヤード)に到着しました。

トータルで約450頭集まった様々な牛は色や形ごとに数頭に分けられて柵の中に入れられています。
この柵ひとつをペンと言います。
f:id:gibraltarmasashi:20160815172225j:plain
f:id:gibraltarmasashi:20160815173001j:plain

牛を買う人はペンごとでも1頭づつでも買う事が出来ます。その代わり、セリ=競りなので、一番高値を提示した人が購入出来る事になります。
ですから、何人もが1頭または1つのペンを欲しがれば値段はどんどん上がるという事です。
要するにオークションです。

曇り空の下、セリは始まり、進行役がペンの上からセリを仕切っていきます。
f:id:gibraltarmasashi:20160815172942j:plain

ペンの前にいるバイヤーが自分の頭の中に浮かぶ買値と予算を照らし合わせながら入札していきます。

牛は1キロいくらで取引されます。300キロの牛が2ドルの単価なら600ドルという事になります。

仕切り「この牛は3ドルからスタート」
客① 「3ドル10!!」
客② 「3ドル11!!!」
客③ 「3ドル15!!!!!!」
仕切り「現在3ドル15!!他にいなければ決まり!」
f:id:gibraltarmasashi:20160815183603j:plain
こんな感じのやり取りをします。

こうして競り落とされた牛は大きな体重計に連れて行かれ、体重✕単価の結果が出ます。
f:id:gibraltarmasashi:20160815183834j:plain

こうして競り落とされた牛達は肉屋に運ばれたり、新たな牧場に運ばれたり、日本に向かう船に載せられたりします。

僕の牛は現在の牛の高値に背中を押され僕が牧場を始めて以来一番の高値が付きました。
目の肥えたバイヤーに認められた気がしたハッピーな一日でした。

McDonald's Japan - 日本マクドナルド公式アプリ

McDonald's Japan - 日本マクドナルド公式アプリ

  • 日本マクドナルド株式会社
  • Food & Drink
  • Free

ありがとう

オーストラリアも春に近付き暖かくなってきました。
春になると子牛がポコポコ産まれ始めて牧場は賑やかになります。

この牧場で産まれた牛は基本的に地元のセリに出します。
今日は去年産まれた子牛を明日のセリに出す為にトラックを呼びセリに送りました。

「去年の子牛」と言っても、この数ヶ月で産まれた時よりも100キロ〜200キロは太りました。
f:id:gibraltarmasashi:20160814172329j:plain
f:id:gibraltarmasashi:20160814172352j:plain
f:id:gibraltarmasashi:20160814172753j:plain

この牛をトラックに載せる準備が出来た頃に予約しておいたトラックが牧場に到着しました。
f:id:gibraltarmasashi:20160814173005j:plain
f:id:gibraltarmasashi:20160814173032j:plain

こちらで牛に係わる仕事の人はトラックドライバーでもカウボーイの出で立ちです。

さぁ、牛を後ろから押したり脅かしたりして階段をのぼらせてトラックに載せましょう。
f:id:gibraltarmasashi:20160814173451j:plain

子供も参加して押していきます。
f:id:gibraltarmasashi:20160814173619j:plain

こうして無事に33頭がトラックに載り、明日のセリで自慢の牛に高値が付く事を祈ると同時に、健康に育ち、我が家に生きる糧を与えてくれてありがとうと言い送り出すのでありました。

ありがとう。

放課後のイベント

先日記事にしたオーストラリアの国勢調査(Census センサス)。
家族全員分の生年月日や住所から収入、その他細かい事までオンラインで入力したのが月曜日だったか日曜日。
そして火曜日の朝のニュースの内容は「オリンピック」




「センサスのオンラインサイトが外部からハッキングされた」
というニュース。

まったく、ハッキングされる事なんて百も承知でオンライン対応にしてるんだろうけど、ハッカーよりも国の防御の方が弱いんでしょうかね?

という訳で、我が家の個人情報の行方を気にしながら朝7時半から畑を耕し、その後牛の仕事を終えたのが夕方。
一息ついたところで子供が学校から帰ってきたので気分転換に牧場内の川に長男と釣りに行って来ました。
f:id:gibraltarmasashi:20160810164953j:plain

最初の釣り場は
f:id:gibraltarmasashi:20160810165035j:plain
ここ。過去に何匹も釣ってるポイントです。

本日のルアーは「拾い物一号」
去年の夏に川で泳いでる時に見つけた物です。
f:id:gibraltarmasashi:20160810165345j:plain

最初のポイントでは釣れなかったので、普段行かない場所へ。
f:id:gibraltarmasashi:20160810165455j:plain

段々と日が暮れて来たので焦り始めたその時!!
f:id:gibraltarmasashi:20160810165611j:plain

釣れたー。Codという魚で、フィッシュ&チップスの定番の魚です。
長男は食べたがりましたが、サイズが小さいのでリリースに決定。

依然としてオケラの長男。魚はリリースされ、怒り気味で釣りを続行中です。
f:id:gibraltarmasashi:20160810170024j:plain

さすがに暗くなってきたので、最後にポイントを変えました。ここもなかなか良い場所。
f:id:gibraltarmasashi:20160810170219j:plain

やっぱり信じてリールを巻き続ければ女神は微笑みますね!!!


また僕に!!!
f:id:gibraltarmasashi:20160810170358j:plain

長男がふてくされたので本日の釣りは終了。
日曜日に再戦を約束し帰宅しました。
次回は釣れるさ!

これが一番ツラい(第二章)

さて、第一章の終わりでは折角の新車と共に咽び泣く僕がお分かり頂けたと思います。

第一章でも結構悲惨な状況ですが、書いた通り埃まみれの車を洗えない事が一番ツラい事では無いのです...

まず、こんな田舎では車が無いと仕事はモチロン、買い物や教育すら出来ません。
以前ブログ書きましたが、一番近い町までは片道40分かかります。
モチロン電車やバスといった物は1台も有りません。

こんな状況ですから車は水と同じレベルの生活必需品です。
ちなみに、現在日常で車を使っているのはと言うと、

・スクールバスのバス停まで
往復15km これを平日毎日

・子供のラグビーの練習のグランドまで
往復80km これを週二回

・土曜日の試合会場まで
平均往復200km

一週間でトータル最低で355km走る事になります。

これに加えて、地元には小さい病院しかないので、
・専門医が必要な場合は往復600km。

他にも
・携帯電話屋さんまで往復400km
・日本食材購入まで往復500km
・一番近いコストコまで往復700km
・トヨタディーラーまで往復500km
・同じ州の大都市シドニーまで往復1600km

これ、話しを盛ってる訳じゃありません。
全て実話です。

実は、これが一番ツラい事です...
長時間の運転は何も問題ありません。むしろ好きです。
一番の問題は....

f:id:gibraltarmasashi:20160808211101j:plain

これ新車購入日の車検証です。
3ヶ月前の5月10日です。

ピッカピカの新車。嬉しくて、楽しくて、キレイに乗りたくて...
それなのに、まず外見が第一章で書いた様に
f:id:gibraltarmasashi:20160808211532j:plain
こうなり...

そして、これが僕の一番ツラい事!!!!!!

f:id:gibraltarmasashi:20160808211901j:plain

3ヶ月で走行距離約9000km........

一年で.......どうなってるのでしょうか.....

こうやって走行距離が運転する度に増えて、車の価値が下がるのが非常に早く、ガソリン代がハンパじゃない。これが物凄くツラい。

「じゃあ、プリウス買えばいいじゃん!!」

そんな貴方にこう言いたい。

「どうやって舗装道路に出るんですか?」

プリウスじゃ未舗装の山登れねーよーーーーー。
うわァァァァーーーーーん。

タクシー料金ナビ

タクシー料金ナビ

  • Tetsuya YONEZAWA
  • Travel
  • Free