"Gibraltar" オーストラリアの360万坪の牧場から

オーストラリアの田舎にて牛を育てる日本人のブログ。日本では有り得ない日常や日々の生活、360万坪の牧場での出来事を記事にしています。 過去の記事は旧ブログでご確認下さい。 旧ブログアドレスhttp://s.ameblo.jp/gibraltarmasashi/ 

送迎係ミッツィー

先日、日本に数日帰った際に、通りにあった中古車店を何気なく覗きました。
僕はオーストラリアに住む者なので、日本で車を購入するつもりはありませんが、中古車店に並んだ日本車の数々を見て非常に嫉妬しました。
その嫉妬した理由はこの先を読んで頂ければわかるはずです。

まず、オーストラリアの車の価格は新車、中古車にかかわらず非常に高額です。

また、オーストラリアに来ると日本車が多い事に驚きます。感覚的には走っている車の8割が日本車ではないでしょうか。
モチロン自分の車もトヨタです。

オーストラリアは広いので、車は必須です。日本の様に電車でどこでも行ける様な便利さは無いので、シドニーやメルボルンのような大きな街に住んでいても休日のお出かけには車が必要です。
さらに、どこへ行くにもある程度の距離があるので、車の走行距離はどんどん増えていきます。

ある程度便利な大きい街ですらその状況なのに、この牧場のような田舎に住む人の車の走行距離は凄い事になります。
先日書いた様に、自分も今年の5月に新車を買いましたが、9月の現時点で11000キロ既に走りました。
子供をスクールバスの来るハイウェイに毎日送迎するだけで、年間約8400キロ走行します。しかも未舗装のガタガタ道なので車の劣化も早いです。なのに、車両は高額なので困ってしまいます。

という事で、昨日は中古車を買いに行きました。まさに送迎専用の安い車。ガタガタ道でも耐えられるオフロードに適した車を往復400キロの道をはるばる行ってきました。

というのも、新車を年間最低8400キロのガタガタ道を埃にまみれながら走らせ、どんどん走行距離を重ねたら価値はどれほど下がるでしょうか?
まず、気分的にすごーく嫌です...僕の車はトヨタのクルーガーで、ある程度のオフロード走行も可能ですが、流石に毎日ガタガタ道を走れば目に見えて劣化します。
それなら安いオフロード専用車を買って、いっその事乗り潰した方が得なのでは?オフロード車なら通常のファーム仕事でも使えるし、傷や埃なんて気にしなくて良いし、将来は子供にあげても良い。
牧場で走り、子供の送迎なら保険も要らないし、最悪ナンバープレートも要らない。
そう判断したので思い切って中古車を買いに行ったわけです。

そして、我が子の送迎という大役を授かった中古車がこれ。モチロン日本車です!!!
三菱のピックアップトラック。この形の車をオーストラリアではUTE(ユテ)と呼びます。
オーストラリア人は何でも語尾をのばすオージーイングリッシュを使うので、テレビのコマーシャルでは三菱車を「ミッツィー」と呼んでました。
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牧場内の障害物に引っ掛かる事を避け、ある程度の深さの川も渡れるような車高の高さ。
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車輪がぬかるみにハマっても抜け出せるようにウインチ装備。
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携帯電話の使えない牧場内でも家族と連絡が取れるようにUHF無線。(本日妻から坂道発進が出来ないと早速のコール笑)
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街灯のない牧場内を明るく照らす複数のライト。
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ここでの車選びでこれだけは絶対に外せない四輪駆動。
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これだけ揃えば怖いもの無しです。
「大袈裟な装備でどこ行くの?川口浩の水曜スペシャル探検隊??」って思ってますか???これ、実際に普段の生活で全部使います。むしろ、これだけ無いと不安です笑。

ただ、車の高いオーストラリアで安い車を求めたら、これぐらいの凹みと走行距離、年式は普通です。
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走行距離27万5000キロです。
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中古車サイトや店舗には10万キロ〜50万キロの車が当たり前の様に並びます。
それが普通です。

ちなみに日本車ですと、10万キロ、10年落ちでも殆ど日本円で最低100万円はします。
人気の高いトヨタのランドクルーザーですと、新車で1000万、20万キロ10年落ちでも300万円はします。
車検は一年に一度、保険も含めて約10万円。

ここにいると日本の中古車店に並ぶ中古車が全て新車に見えます。
だから僕は冒頭で嫉妬したと書いたのです。

逆に言うと、今の車は良く出来ています。日頃の点検や整備を定期的に行えばそれだけ長く乗れるという事です。

我が家の送迎係に任命された三菱くん。
目指せ100万キロ!!