"Gibraltar" オーストラリアの360万坪の牧場から

オーストラリアの田舎にて牛を育てる日本人のブログ。日本では有り得ない日常や日々の生活、360万坪の牧場での出来事を記事にしています。 過去の記事は旧ブログでご確認下さい。 旧ブログアドレスhttp://s.ameblo.jp/gibraltarmasashi/ 

石焼き芋

こんばんわ。

前回記事にしたサイクロンが過ぎてから、こちらは随分と気温が下がり朝と夜はしっかりと布団を掛けて寝ていないと寒くて起こされてしまいます。

牧場の仕事は夏場に忙しさのピークがあり、冬に向かうにつれて時間に余裕が出来てきます。

逆に冬はプライベートで忙しくなる季節です。というのも、子供のラグビーシーズンが始まるために、週二回の練習と、週末の一試合。さらに今年は長男が地域の代表選手に選ばれたので、地元チームの試合の他にもう一試合組まれる事も有り忙しくなります。練習に行くのだって往復80kmの運転だし、週末の試合は平均で往復300キロの移動となります。子供の練習と試合に参加するだけで、週に500kmの移動は結構費用が掛かります。

その費用を何とか軽減しようと今年から始めた取り組みがあります。

週二回の子供のラグビーの練習は40km離れた地元の街のラグビー場で行われるので、それに合わせて街の人に「薪」を売りに行く事です。

この牧場には「薪の王様」とも言われるアイアンバークの木がたくさんあり、このアイアンバークの木をカットした薪は通常の薪より高価で取り引きされます。

他の種類の薪より固く、長く燃える事が特徴で、薪ストーブや暖炉が一般的なこの地域では何人かの人が薪を売って、冬の間の一時的な収入を得ています。アイアンバークは貴重で手に入りにくい為に、普通の薪売りの人達はアイアンバーク以外の薪を安価で売るか、アイアンバークと他の薪を混ぜて売る事が一般的です。

そこで僕はマーケットの少ない「アイアンバーク100%」の薪を売る事に決めました。もちろん、貴重な木なので、一回の配達で他の薪に比べて40ドル近く高くなります。しかし、前に述べたように、アイアンバークは他の木より長く燃えます。値段は高いですが長持ちしますので、トータルしたらこの薪を買う方が得だと僕は思っています。

さて、牧場内での薪の「仕入れ」方法ですが、牧場内で枯れて立っているアイアンバークの木や、完全に倒れていたり、途中から折れている物を探しそれをチェーンソーで切りトラックで牧場内の薪割り場所に持って行きます。

 

アイアンバークの木

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枯れて倒れたアイアンバークと、チェーンソーでカットした木。

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家のストーブで使う場合は斧で割っていましたが、これが仕事となると大量の薪が必要なので自動薪割り機を使用してどんどん割ってストックしておきます。僕がチェーンソーで木を伐り、子供や妻が手伝いながらトラックに載せ、薪割り機を家族で取り囲みどんどんと薪を積み上げていく。

 

「薪売ります」の広告は、地元のフェイスブックページに掲載し、注文が入れば約1トン分をトラックに投げ込み、ラグビーの練習のついでに子供と配達をしてトラックから降ろしてあげる。


トラックに載せた薪。

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お客さんの為に積んであげます。

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売れるかどうか半信半疑で始めた副業も、広告を出したらすぐに反響があり、嬉しい事に意外に忙しい・・・。こうやって以前はガソリンを使って行っていた週二回の練習も、帰りにはポケットに現金が入っているようになりました。

かつて日本の農家の方が冬場に石焼き芋を都会に売りに来たように、我々も産地直送の暖かい薪を小さな街に配達しています。

街の人は僕の薪で暖かい冬を過ごす事が出来て、我々は懐が温かくなる。副業だけど、僕は好きです。

余談ですが、薪を割ってたら牧場生活で初めて見た物が出て来ましたので、写真を貼っておきますね!

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ではまた!