"Gibraltar" オーストラリアの360万坪の牧場から

オーストラリアの田舎にて牛を育てる日本人のブログ。日本では有り得ない日常や日々の生活、360万坪の牧場での出来事を記事にしています。 過去の記事は旧ブログでご確認下さい。 旧ブログアドレスhttp://s.ameblo.jp/gibraltarmasashi/ 

満腹から空腹

さて、なかなか激しかった肉旅行も終わり、26日の夕方にシアトルを出発し、ずっと飛行機の中にいたわけですが、オーストラリアに到着した本日は28日なわけですから今日が何曜日なのか何がなんだかわかりません。

やはり牧場に到着して一番気になるのは自分の家畜。
誤解されないように言っておきますが、家族が一番大事です(・.・;)

肉旅行中も牧場が気になり家族と連絡を取っていましたが、実を言いますと旅行中ちょっと焦っていました。

以前から記事にしている通り、オーストラリアは非常に雨が少なく、雨が降らずに辛い思いをする事がしばしば有ります。

今回、出発直前に天候をいつものようにチェックし、それに合わせた準備をしてから旅立ちました。特に牛や家族の水や安全面を気にかけて補充したり、僕が居ない間に力仕事や危険な仕事が発生しない様に準備しておくのは僕だけで出張などに行く時の自分の中の決まり事です。
特に子供が小さいので、妻が子供の世話だけをしていられる様にする事が重要だと思っています。

僕が旅立った後に牧場に雨の予報が数日あるのを僕は知ってましたが、降っても大した量にならないと予想していたので、それほど心配せずに旅立ちました。

丁度バンクーバー降りた際、妻からメールが入っており、折り返し連絡すると「雨がすごく降って小川の水が道路を遮断し車が通れず子供の学校を休ませた」との事。
何ミリ降ったの?と聞くと通常の約二ヶ月分にあたる降雨があったそう。

普通の道before
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普通の道after
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before
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after
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これは大誤算だ。
こうなるとまず最初に心配するのは洪水により家族が危険な目に遭う事。
それに道路が破壊されて家族が山の中に孤立する事。
その次に、川の区画に閉じ込められている家畜が流されたり、川の近くの大型ポンプや機械類が濁流で流される事。

先に述べたように、家族に危険を伴う仕事はさせられないので、今は何もしないで川の水位を見守るだけ。
川はあっと言う間に増水するので、今は朝、昼、夕方に川の確認を妻にお願いするだけしか出来なかった。

結局のところ大事には至らなかったのだけれど、帰ってからパドックを見て周ると酷い事になっていた。川の増水は予想より酷く、川の近くのフェンスが軒並み流されメチャクチャになっていた。
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流木やゴミがフェンスに引っ掛かり、ワイヤーを切って杭をなぎ倒す。
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ひとつひとつゴミを取り、ワイヤーを繋ぎ合わせて杭を打ち込み直します。

恐らく今回は500メートル程のフェンスが倒され、流されているだろう...
早く修繕しなければ牛がどこかに行ってしまうし、逆に隣の牧場の牛がこちらに入り、混ざってしまう。

自然との共存は本当に難しいし、イレギュラーが起こりやすい。
先週は毎晩お腹いっぱいでホテルに戻りましたが、今週からまた空腹で帰宅する忙しい日々が始まります。