"Gibraltar" オーストラリアの360万坪の牧場から

オーストラリアの田舎にて牛を育てる日本人のブログ。日本では有り得ない日常や日々の生活、360万坪の牧場での出来事を記事にしています。 過去の記事は旧ブログでご確認下さい。 旧ブログアドレスhttp://s.ameblo.jp/gibraltarmasashi/ 

意外に知らない?

この牧場を始めてからというもの色々な事が出来るようになりました。
溶接や車両の整備、ブルドーザーやトラクターといった重機の操縦、または水道を作ったり小さい家を建てたりと様々な事を学び、出来るようになりました。

さて、日本のお父さん。意外と知らないで人に頼ってる事って結構ありますよね?
その代表として車の整備や点検があります。
オイルや冷却水のチェックやバッテリー交換など、簡単に出来る事までディーラーなどに任せがちです。

今回は、少しでもこのブログが役立つ様に、実用的なお話しをします。

お題は「タイヤ交換」です。

日本の道は素晴らしく整備されてますので、パンクの心配はゼロと言って良いほどありません。
しかしパンクは突然訪れるもので、パンクをした際にJAFを呼ぶのもお金や待ち時間がかかりますし、すぐに出掛けたいのに駐車場でパンクしていたりすると大慌てしてしまうのではないのでしょうか?
タイヤ交換と聞くと大仕事を想像するかもしれませんが、ウチの小学六年生でもやり方さえ覚えれば一人で出来ますのでご安心を。

それでは本題に入ります。
最近は中古車でも必ずと言って良い程スペアタイヤが付いていると思います。殆どのスペアタイヤは車のトランクの下に入っています。トランクの下と言っても、トランクの中では無く、トランクを地面から覗き込むとカバーに覆われて車体にくっついている事が多いです。
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トランクの中には何があるかと言いますと、タイヤ交換に必要な道具がいくつか入っています。
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その道具と言いますと、車種により形は少し異なりますが、大事な物は二つ。
それは車を持ち上げるジャッキとタイヤを外す際にナットを外すレンチです。
その他に連結式の棒が入っていると思います。
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まず車体後方、もしくはトランク内に車体の裏にくっ付いてるスペアタイヤを降ろす穴もしくはネジのようなものがあります。
下の写真の場合、大きく口が開いたラッパのような部分です。
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このラッパに連結棒を差し込み左に回すと、チェーンで繋がったスペアタイヤが降りてきます。
チェーンをフックから外して、スペアタイヤを取り出しましょう。
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タイヤを取り出したらパンクしているタイヤのナットをレンチで緩めます。ナットは非常に固く締められてる事が多いので、必要であれば足をのせて体重をかけて下さい。
ナットは全て外さずに指で回せるぐらい緩めた状態で、まだくっ付けておいてください。
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ナットを緩めたら次に、ジャッキで車体を持ち上げます。パンクしている側の車体の固い部分にジャッキを固定します。
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最近の車は、マニュアルブックにジャッキの固定場所が書いてありますのでそれに従って下さい。
ジャッキの飛び出た部分に連結棒が接続出来るようになっていますので、そこに棒を接続し、棒をくるくる回すとジャッキが上がり車体が持ち上がって行きます。この際、棒の最後にレンチをくっつけて棒とレンチを持てばクルクルと簡単に回ります。
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車体がタイヤが外せるぐらい持ち上がったらナットを全て取ってタイヤを外します。
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次にスペアタイヤを取り付けます。
ナットが付いていたネジ山にタイヤの穴を合わせてタイヤを押し込みます。この際にポイントになるのは、ネジ山に穴を合わせる際はタイヤを持ち上げようとせずに、ジャッキで高さ調整をして下さい。
また、ネジ山に全ての穴をいっぺんに入れる必要はありません。一つでも二つでもネジ山に穴が入ればナットを指で回してタイヤが外れないようにしてください。
ナットを入れてしまえば、他の穴もネジ山にも簡単に入って行きます。
全ての穴にネジ山が入ったら、指でナットを限界まで回します。指で回す事が出来なくなったらジャッキを下げて車を降ろします。
そして車体が完全に降りたら、レンチで全てのナットを締めます。この際に外した時と同様に足を使って締めると完璧です。
最初は心配でしょうから、少し走った後にナットが緩んでいないかもう一度確認してくださいね!!

取り外したパンクしたタイヤは先ほどスペアタイヤが収納されてた場所に戻して終わりです。
一連の作業。慣れれば15分で出来ますよ。
これが出来るようになれば、大きくて重たいトラクターのタイヤも取り外せる様になります。
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会社が休みの日に奥様や子供達と一緒に自宅ガレージで練習してみてはいかがでしょうか?
少しでも役に立ちましたか??

知ってて損は無いぜよ。

初体験

それは先週の金曜日の事。

以前から子供が学校の友達を家に呼んでお泊り会をしたいと言っていたのですが、この家は人を呼べるようなキレイな家じゃないので、ずっと子供達は我慢をしていました。

妻によると、最大の人を呼びたくない理由はお風呂。お風呂がとにかくキレイじゃないのです。
確かにタイルは剥がれ落ち、壁はボロボロ、浴槽のペンキは剥がれてるし、水漏れも起こる。
築100年近けりゃまぁ仕方ないですね。

このお風呂が最近になって水漏れが酷くなり、どんな状況でも特に気にしない僕でも耐えられなくなったので、改装をする事にしました。
そして改装も終わり、長男の誕生日パーティーも兼ねて遂に長男にGoサインが出ました。

最初に「友達を呼びたい」と言った日から三年は経ったでしょうか?
ついに先週の金曜日に念願かない友達三人を家に呼んでのお泊り会が実現しました。

金曜日の午後、スクールバスがバス停に着くと三人降りてくるはずの友達が一人いない。
聞いてみると「ランチタイムに具合が悪くなり吐いたので今日は来れない」との事。
友達もずっと前から家に来たがってたので悔し泣きしながら学校を早退していったそうです...

さて、残った友達二人と子供達は早速バイクに乗ったりして広い牧場で遊んでいます。
学校が終わって家に着くのは4時半なので、僕は夕食のBBQの支度をしようと庭に出ると、あれ?
友達一人様子がおかしい。どうやら吐いてしまったようだ。

聞くと、同じ学校で六人の子供がやはり吐いて学校を早退したらしい。
ちょっと怖い話しだし、ここは街から40分も離れた場所なので、万が一があっても嫌なので残念だけど家に送り届ける事にした。
なんというタイミング。息子も友達も三年も我慢してやっと実現した事なのに、もうすでに友達二人が脱落...
僕が友達を送って帰ると、残った友達一人と息子はBBQで焼く予定だったお肉を家で食べて静かなバースデーパーティーをしていた。

デザートのケーキも食べて、ラグビーリーグの準決勝をテレビで見て盛り上がったらもう寝る時間。
金曜日という事もあり、僕達親も子供達もすぐにベッドに入ってしまった。

ベッドに入り寝ていると何か騒がしい。

どうやら妻と子供達が話している声がする。
何かあったのかなと起きてみると...
リビングにゲロ...大量のゲロゲーロ.....

長男が吐いてグッタリしている。

これはおかしい。全員症状が同じだ。
真っ先に食中毒を疑ったけど、吐いた全員食べてる物も飲んだ物も違う。
そうなると...インターネットで調べたらノロウイルスそっくりの症状。

数回吐いて下痢をして、他に感染する。

その日は結局長男も寝てしまい、翌朝に友達を送り返してお泊り会は終了...

なんて可哀想な結末。

しかし、これだけじゃ終わらなかった。

その日の昼、次男がゲロゲロし始め、その夕方に三男と妻が始まった。
生き残るは僕だけ。

忍び寄る恐怖。でも何も出来ない僕。治療方法や薬は無いらしいので、時が過ぎて自分が感染しない事を祈りベッドに入り眠りにつく。

そう。ベッドに入ったつもりがトイレにへばりつく僕がいるんです。

家族全員感染完了。

結局家族五人、友達二人が目の前で感染。その他に学校の子供だけで十五人ほど感染したようです。
家族を含めたら大量感染ですね。

元気になったらもう一度友達を呼んであげよう。

みなさん、手洗いはしっかりして下さいね。

よく行く街"ブリスベン"

こんにちは。
牧場は相変わらず川の増水に脅かされ、川の深さと速さで川の対岸に渡れずイライラする日々が続いてます。

そんな中、僕はブリスベンに行く用事があったために、例によって往復700キロのドライブをしてまいりました。

ブリスベンは牧場から一番近いシティーという事もあり、何かと行く事があります。
仕事でも行きますし、買い物や遊び、趣味のラグビー観戦など行く理由は様々です。

今回は一泊の予定ですので、ホテルにチェックインした後に牧場周辺の田舎町では食べられない焼肉を食べに行きました。
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ホテルから徒歩圏内という事で、車はホテルに置き久々にジョッキの生ビールを飲みました。
日本のビール。美味しいですねぇ。

僕はお酒は飲めますが、夏にビールを週に3本程度、冬はワインを少々飲むぐらいです。
妻は全然飲みませんので、家で飲んでもツマラナイわけです。
ただ、友人と飲むのは大好きです。

ブリスベンは観光というより忙しい街で、ビジネスマンが非常に多いです。
大学や語学学校も周辺にあり学生も多く歩いています。

ブリスベンの中心にはクイーンストリートモールと歩行者専用の通りがあります。
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通りの両サイドにはファッションはもちろん、カフェやホテル、レストラン、バーなど様々なお店が並び、多くの人がショッピングを楽しんでいます。
この通りは数百メートル続いており、歩いていればデパートもブランドショップも見つかります。
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日本でお馴染みの店も幾つかありますよ。
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オーストラリアに来たばかりの時は、この通りを歩くとウキウキしたものです。
今では殆ど歩きません...

というのも、我が家がブリスベンでショッピングをする際は必ず行く場所があります。
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ブリスベン中心部から車で15分のIndooroopilly Shopping Center(インドゥルーピリー ショッピング センター)です。

ここは恐らくブリスベンで一番大きいショッピングセンターで、何でも揃いますし、施設もキレイです。
牧場への帰り道に寄れるので非常に重宝しています。
さらに、我が家がここに来る最大の理由が...

これとか、
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これとか、
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これであります。
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そうです。日本の食材です。
このショッピングセンターでは日本の食材や調味料が手に入ります。
値段は日本で買うよりずっと高いですが、数ヶ月に一回の楽しみとして色々と買って帰ります。

田舎町では絶対に手に入らない食材ばかり。
今回はこれだけ買い物して帰りました。
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これで日本円で約13000円なり...

家に帰り、早速の納豆ご飯。これが幸せ。

0か100

以前も旧ブログで触れたことがありますが、2011年にオーストラリアのクイーンズランド州の80%とニューサウスウェールズ州の一部は洪水の被害に見舞われました。

この牧場はニューサウスウェールズ州にありますが、クイーンズランド州との州境から車で40分の場所にあり、なおかつ牧場の真ん中に川があるため洪水の被害をモロに受けました。

通常の風景のこの場所も
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こうなり...
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電柱は倒れて
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流木が押し寄せて重なり
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当時の水位は今も木に引っかかる流木でその高さを確認でき
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潰れたら我々が孤立する橋は川に沈み、水が引いても通れない
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オーストラリアは本当に雨が少ない。この牧場も三年前は記録的な干ばつに襲われ、僕達が使う家庭用水もあと僅かなところまで追い詰められました。

そんなオーストラリアなのに洪水になったのが5年半前。そして、今週その危機にまたしても遭う可能性が多少あります。
ただし、今回はこの牧場の周辺のみ。

8月末に僕がアメリカに行ってる間に大雨が降り、道路に水が溢れて車が通れず子供は学校を二日間休みました。
川の水も2011年の大洪水以来一番の増水でした。
普段は10日もすれば川の水も引き、通常に戻るのですが、8月末から現在までの間に皮肉にも雨は順調で、川の水は一向に引きません。
川が引かずに心配なのは今後の天気予報ですが...
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なぜこんな時に...

いつもなら車で渡れる川も今は105馬力のトラクターでギリギリ。
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高さ1メートルはあるだろう運転席のすぐ下まで水位があります。
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今日は川の近くの牛を丘に移動し、川の近くのポンプや機械類を引き上げました。

明日は食料を買いに行き、孤立に備えます。
今のところ今日の予報はハズレています。
この雨をどうか今降らさずに夏の乾き始めたタイミングで放出してくれないだろうか?

全く0か100の極端な天気。
人間は自然には勝てない逆らえない...

動物と人間

今回はちょっとだけ動物と人間について自分の考えを書いてみようと思います。

動物と人間がひとつの地球という星で生きています。動物は基本的には人間を襲いませんが(というより人間が危ない動物には近付きません)、人間は動物を捕まえて食べます。
それはシンプルに言って、人間が他の動物より総合的に強いからでしょう。

皆さんもご存知の通り、世間で動物愛護という言葉を耳にします。特に最近は以前より耳にする事が増えたのではないでしょうか?
僕の住むオーストラリアでは捕鯨の話は有名ですよね。

以前、自分のフェイスブックにも書いた事があるのですが、牧場にいる野ウサギが増えて、畑を荒らすので、ライフルで撃って食べた時の事。美味しい調理法は無いかとインターネットでウサギの調理法を調べようと探していると、幾つかのレシピの他に、ウサギを食べるのは残酷だという書き込みを多数目にしました。

さて、ここで僕は何を思ったかと言いますと、

「これらの書き込みをしている人達はいつも何を食べているのだろうか?」

と単純に思ったわけです。
というのも、ご存知の通り僕は牛を育てています。
いつも牛の事を考えて、牛との生活で泣き笑いします。健康に大きく育って欲しい、元気な子牛を生んでほしいといつも願い世話をしています。
牛の事も考えますが、人間の事も考えます。
美味しいと言われるお肉になって欲しいとも願いますし、時にはお金が無くなってきたから何頭売ろうかとも考えます。
これらの考えは人間が生きる為の健全な考えだと思っています。
これは牛を育てる人に限らず、米や野菜を育てる農家の方も同じ事だと思っています。

ウサギの話しに戻りますが、ウサギを食べるのは残酷だという理由は、ウサギが可愛らしい動物だからという理由が殆どじゃないでしょうか?
ある国では犬を食べます。これも犬を飼ってる方からすれば「残酷」になるのでしょう。
ただ、そこにはそれぞれの国の文化があります。その文化で育った人の食生活にケチをつける事は出来ません。日本人の食べる納豆も生魚も以前のユッケやレバ刺し、馬の肉など他の国の人からすれば信じられない食べ物かもしれません。しかし、それが日本人の食文化なので、外人から「オエッ、気持ち悪い」なんて言われても我々は「美味しいのに」って反論しますよね。

結局は人間を含む動物は生きなきゃいけないし、幸せにならなきゃいけない。
生きるには「食う」しかないんです。食うために働き、お腹が満たされ幸せになり、余ったお金で旅行や買い物をして幸せになる。
働く理由はまず食べる事から絶対に始まります。

僕は牛を育てています。しかし毎日のように牛肉を食べるし、ステーキは大好物。
でも、育ててる牛が出産で苦しめば助けに行くし、死んでしまえば泣きます。ここにいる400頭の牛は全て僕を知ってますし、僕も彼らを知っています。
他の人が犬やウサギをカワイイと思うように、僕も牛がカワイイです。でも、ステーキは好きです。

ウサギは草を食べます。草は生きてます。僕も草を育てます。それを牛にあげます。
草は土から栄養をどんどん吸います。それは生きる為です。
ウサギを食べるのは残酷だと言う人も、何かしらの物を食べて生きてます。それはプラスチックや鉄じゃなく、必ず生きていた物です。

こうやって、地球上の物は人間に限らず自分が生きる為に何かを殺して生きるのです。ウサギがダメなら僕が可愛がる牛も食べないでほしいし、お米農家が一生懸命に可愛がり作る米も食べられないはず。
ベジタリアンでもヴィーガンでも結局は食べる為に生きてるわけです。

自分が飢えたり、目の前で自分の子供が腹を空かせてたらペットだろうがドブネズミだろうが何でも食べますよ人間は。寒くて死にそうで凍死寸前なら家の壁を少しづつ剥がして燃やすでしょう。

残酷なのは、クジラやウサギがダメだって騒ぐのに、米も牛も野菜も平気で食べちゃう人達じゃないかなぁなんて思います。
人間が出来る事は、他の動物より優れた脳や感情があるのだから、どの様に自分達が飢えずに生きていかれるか、何に感謝するか時々考えて見る事だと思います。

無駄にはしてはいけません。お米も一粒残らず食べる事、夕食の残りは工夫して次の日食べる事。他人や食文化に口を挟む前に、そんな事から始めてみてはどうでしょうか。

送迎係ミッツィー

先日、日本に数日帰った際に、通りにあった中古車店を何気なく覗きました。
僕はオーストラリアに住む者なので、日本で車を購入するつもりはありませんが、中古車店に並んだ日本車の数々を見て非常に嫉妬しました。
その嫉妬した理由はこの先を読んで頂ければわかるはずです。

まず、オーストラリアの車の価格は新車、中古車にかかわらず非常に高額です。

また、オーストラリアに来ると日本車が多い事に驚きます。感覚的には走っている車の8割が日本車ではないでしょうか。
モチロン自分の車もトヨタです。

オーストラリアは広いので、車は必須です。日本の様に電車でどこでも行ける様な便利さは無いので、シドニーやメルボルンのような大きな街に住んでいても休日のお出かけには車が必要です。
さらに、どこへ行くにもある程度の距離があるので、車の走行距離はどんどん増えていきます。

ある程度便利な大きい街ですらその状況なのに、この牧場のような田舎に住む人の車の走行距離は凄い事になります。
先日書いた様に、自分も今年の5月に新車を買いましたが、9月の現時点で11000キロ既に走りました。
子供をスクールバスの来るハイウェイに毎日送迎するだけで、年間約8400キロ走行します。しかも未舗装のガタガタ道なので車の劣化も早いです。なのに、車両は高額なので困ってしまいます。

という事で、昨日は中古車を買いに行きました。まさに送迎専用の安い車。ガタガタ道でも耐えられるオフロードに適した車を往復400キロの道をはるばる行ってきました。

というのも、新車を年間最低8400キロのガタガタ道を埃にまみれながら走らせ、どんどん走行距離を重ねたら価値はどれほど下がるでしょうか?
まず、気分的にすごーく嫌です...僕の車はトヨタのクルーガーで、ある程度のオフロード走行も可能ですが、流石に毎日ガタガタ道を走れば目に見えて劣化します。
それなら安いオフロード専用車を買って、いっその事乗り潰した方が得なのでは?オフロード車なら通常のファーム仕事でも使えるし、傷や埃なんて気にしなくて良いし、将来は子供にあげても良い。
牧場で走り、子供の送迎なら保険も要らないし、最悪ナンバープレートも要らない。
そう判断したので思い切って中古車を買いに行ったわけです。

そして、我が子の送迎という大役を授かった中古車がこれ。モチロン日本車です!!!
三菱のピックアップトラック。この形の車をオーストラリアではUTE(ユテ)と呼びます。
オーストラリア人は何でも語尾をのばすオージーイングリッシュを使うので、テレビのコマーシャルでは三菱車を「ミッツィー」と呼んでました。
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牧場内の障害物に引っ掛かる事を避け、ある程度の深さの川も渡れるような車高の高さ。
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車輪がぬかるみにハマっても抜け出せるようにウインチ装備。
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携帯電話の使えない牧場内でも家族と連絡が取れるようにUHF無線。(本日妻から坂道発進が出来ないと早速のコール笑)
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街灯のない牧場内を明るく照らす複数のライト。
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ここでの車選びでこれだけは絶対に外せない四輪駆動。
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これだけ揃えば怖いもの無しです。
「大袈裟な装備でどこ行くの?川口浩の水曜スペシャル探検隊??」って思ってますか???これ、実際に普段の生活で全部使います。むしろ、これだけ無いと不安です笑。

ただ、車の高いオーストラリアで安い車を求めたら、これぐらいの凹みと走行距離、年式は普通です。
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走行距離27万5000キロです。
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中古車サイトや店舗には10万キロ〜50万キロの車が当たり前の様に並びます。
それが普通です。

ちなみに日本車ですと、10万キロ、10年落ちでも殆ど日本円で最低100万円はします。
人気の高いトヨタのランドクルーザーですと、新車で1000万、20万キロ10年落ちでも300万円はします。
車検は一年に一度、保険も含めて約10万円。

ここにいると日本の中古車店に並ぶ中古車が全て新車に見えます。
だから僕は冒頭で嫉妬したと書いたのです。

逆に言うと、今の車は良く出来ています。日頃の点検や整備を定期的に行えばそれだけ長く乗れるという事です。

我が家の送迎係に任命された三菱くん。
目指せ100万キロ!!

フェンス修理(虫嫌い注意)

アメリカから帰国してからの数日、牧場はだいぶ春の陽気なってきました。
最近産まれた子牛もポカポカ陽気の下で昼寝も気持ち良さそうです。
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さて、アメリカから帰国し、一日ぐらいは時差の調整なんて名目で休みたいところですが、先日記事にしたように川の増水で壊れまくってるフェンスの修理に明け暮れています。

フェンスの修理は全て手作業。ワイヤーを引っ張
り、杭をハンマーで何十本も打ち込みます。

トラックはフェンスの材料で一杯です。
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川の近くで黙々と仕事をしていると聞こえて来るのは鳥や動物の鳴き声と、僕がハンマーで叩く杭の音と川の流れる音。
邪魔される事が無いので仕事は捗りますが、2kmのフェンスを手作業で行うわけだから、手は汚れてジワジワと痛みも出てきます。
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ワイヤーは固いですが、強力に結ぶためには紐のように結ばなければいけない為に指先に力を入れて曲げていきます。
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オーストラリアに来たばかりの頃は、これが痛くて痛くて...。夜になると手がジンジンとして寝れなかった。
牧場を始めて変わった事の一つに手の硬さが有ります。
マメが固まり、皮が厚くなる。
日本に帰り握手をすると「ゴツイ手だなぁ」なんて言われる事も増えました。

※この先の画像に虫嫌いにはキツイ画像が有ります


さて、話しは全然変わりますが、シロアリってご存知ですよね?
日本でも家を食べてしまう害虫として知られていますよね。

実はシロアリって、アリの仲間じゃなくて、ゴキブリの仲間なんですよね。
ジメジメしたところが好きで、木を食べてしまいます。食べられた後の木は迷路の様に穴が開いたり、フカフカになったりします。

モチロンここは大自然なので、シロアリは山ほど居ます。

なぜシロアリの話しをしているかと言いますと、皆さんの家がシロアリの被害に遭わないように、また、いち早くシロアリに気が付ける様に、本日フェンスの修理中に発見したシロアリの写真を貼って差し上げます!!!

イラねーよ!!! なんて言わないで下さいね。
実物を知らなければ、何がシロアリか気が付きませんからね!!!

優しい!!優しすぎる!!! 今回だけですよ!!!

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これがシロアリ。
ちなみに、この木に1000匹ぐらい付いてました。

では、良い週末を!!! 笑